お寺にはどんな種類がある?
お寺は運営のしかたによって、いくつかのタイプに分けられます。ここでは代表的な4タイプについて、特徴・お寺の数・働き方・収入の違いをまとめて紹介します。
檀家寺

- 特徴:家単位の檀家が葬祭供養を担う、日本で最も一般的なお寺の形です。檀家からの護寺会費やお布施で運営され、檀家以外には門を閉ざしていることも珍しくありません。
- お寺の数:全国の寺院77,206寺(文化庁「宗教統計調査」)のうち、9割以上を占める圧倒的多数派です。
- 働き方:住職の子が継ぐ世襲が伝統的に中心で、外部の人が入りにくいのが実情です。ただし近年は、血縁にこだわらず外部から人材を迎える寺院も少しずつ増えています。
- 収入:檀家数と立地(都市部か地方か)によって大きく差が出ます。檀家数300軒規模で手取り年収の目安は400万円程度、檀家の多い寺院では1000万円を超える例もある一方、住職の約4割は年収300万円未満というデータもあります。
信者寺(祈祷寺)

- 特徴:檀家を持たず、誰でも参拝できる開かれたお寺です。祈祷・祈願を中心に行っており、「祈祷寺」とも呼ばれます。
- お寺の数:檀家寺に比べるとごく少数派です。正確な全国統計は見当たりませんが、全体からするとかなり限られた割合とみられます。
- 働き方:参拝者対応、祈祷の受付、お守り・お札の授与など、檀家寺よりも外部スタッフを必要とする場面が多い傾向があります。
- 収入:参拝料・祈祷料・授与品(お守りやお札など)の収入が中心です。檀家からの固定収入がない分、参拝者数に左右されやすい面があります。
観光寺

- 特徴:観光客や修学旅行生に向けて公開されているお寺です。お寺を中心に地域一帯が観光地化しているケースも多く見られます。
- お寺の数:信者寺と同様、全国的にはごく一部で、有名な観光地にある寺院に限られます。
- 働き方:拝観受付やガイド、売店スタッフなど、僧侶以外の一般スタッフの求人が比較的出やすいタイプです。語学対応スタッフを募集する寺院もあります。
- 収入:拝観料が主な収入源です。観光客数によって収入が変動します。
修行道場(総本山・大本山)

- 特徴:各宗派の中心となる、僧侶の修行・学問に特化した寺院です。宗派ごとに総本山・大本山が定められており、たとえば浄土宗は総本山1・大本山7、真言宗は本山18か所とされています。
- お寺の数:全国77,000超の寺院の中でもごくわずかです。宗派の数(十三宗五十六派といわれます)に対し、本山クラスの寺院は各宗派につき数か所程度にとどまります。
- 働き方:一般公募での採用はほぼなく、すでに得度・入門した僧侶が修行の一環として所属する場です。
- 収入:一般的な給与という形ではなく、宗派の制度に基づく扱いになります。修行期間中は原則として給与収入という位置づけではありません。
信者寺・観光寺の正確な軒数については、統一された全国統計が見つかっていません。ここでの記述は目安としてご覧ください。